東山彰良著『流』

今週のお題「プレゼントしたい本」

私がおすすめしたい本、たくさんの人に読んでほしい本は、東山彰良先生の『流』です。

東山彰良先生はこの作品で、第153回直木賞を受賞された。
東山先生のサイン会が私の地元福岡で行われることを偶然知り、すぐにサイン会の申し込みをした。
東山先生は、台湾で生まれ福岡在住ということで親しみを感じた。
福岡の作家の方が直木賞。すごい!!

私はサイン会で本を読んでいないのに「先生、面白かったです」とは、絶対に言えない。
作家の先生に失礼だ。

そして私は、サイン会直前まで『流』を読んだ。
私の中で今まで感じたことがない“風”を感じた。
なんて素晴らしい本なんだ。私はこの作品にどんどん引き込まれてしまう。魅了されていく。

『流』1975年、秋生(チョウ シェン)の愛する祖父が何者かに殺されてしまう。秋生が犯人を探す物語。あまり日本人が知らない“台湾”の歴史が語られる。私は、台湾にこんな歴史があるなんて知らなかったので、とても驚いた。私は、もっと台湾のことを勉強しなければいけないf:id:bluemayu:20160928235816j:plainと思った。台湾のことを知らない。と私は衝撃を受ける。
この作品を戦争の小説と受け止める方もたくさんいらっしゃる。確かに、戦争のことも描かれている。
この『流』に戦争の話は必要だ。
でも実は、素晴らしい青春小説なのだ。

主人公、秋生が成長していく物語。
学校での出来事、淡い恋の話、暴力、軍の部隊に入ること、幽霊らしき不思議なお話、そして家族、親戚、友情など人と人のつながりが、のびのびとダイナミックに描かれている。
作家、東山彰良の本当に素晴らしい作品だ。

私はこの本を読んで、小説でしか描けない世界、本を読む幸せを感じた。

そう、私は東山彰良先生の『流』を読んで、人生が少し変わった。本を読む幸せを感じることができた。

ぜひ、多くの方にこの『流』を読んで、台湾の風を感じてほしい。